ワケアリ夫婦っ!!
そんなママが、あたしは大好きだ。
「……………」
「あら、奈央?」
修学旅行のお土産を渡すと、お茶でも飲もうと言ったママ。
さぁさぁと背中を押されながらも、リビングに入ったあたしは絶句した。
そこにあったのは……。
リビングの壁にドーンと貼ってある、大きな日向のポスター。
「なっ……」
「な?」
「なにこれ、なにこれ……っ!?」
「やだぁ〜、日向くんじゃないの〜」
「そんなこと分かってるって!」
何か問題でも? という顔であたしを見るママに、あたしは肩の力が抜ける。
「奈央は、いつもナマ日向くん見てるんだから。これくらいいいじゃないの」
「そういうことじゃなくて……」
呆れながらも、ポスターのそばに近寄ってもう一度見てみる。
こんなの、どこで手に入れたんだか……。
そう思っていると、いつの間にかママは、ニコニコしながらお茶の準備をしていた。
「ふふ、日向くんはもううちの息子も同然なんだもの。子供の活躍を見守るのも、親の役目でしょう」
………答えになってないし。
こんなんじゃ、恥ずかしくて日向のことうちに連れて来れないよ……。
おでこに手をあてながら、あたしはダイニングテーブルのイスに座る。
すると、ちょうどそこに準備のできたママが、お茶を持ってきた。
「さぁ、ゆっくり午後のティータイムでもしましょうか」
得意の笑みでニッコリと微笑んで、あたしの向かい側に座る。