ワケアリ夫婦っ!!





そんなママが、あたしは大好きだ。




「……………」



「あら、奈央?」




修学旅行のお土産を渡すと、お茶でも飲もうと言ったママ。



さぁさぁと背中を押されながらも、リビングに入ったあたしは絶句した。



そこにあったのは……。




リビングの壁にドーンと貼ってある、大きな日向のポスター。




「なっ……」



「な?」



「なにこれ、なにこれ……っ!?」



「やだぁ〜、日向くんじゃないの〜」



「そんなこと分かってるって!」



何か問題でも? という顔であたしを見るママに、あたしは肩の力が抜ける。




「奈央は、いつもナマ日向くん見てるんだから。これくらいいいじゃないの」



「そういうことじゃなくて……」



呆れながらも、ポスターのそばに近寄ってもう一度見てみる。



こんなの、どこで手に入れたんだか……。




そう思っていると、いつの間にかママは、ニコニコしながらお茶の準備をしていた。



「ふふ、日向くんはもううちの息子も同然なんだもの。子供の活躍を見守るのも、親の役目でしょう」





………答えになってないし。




こんなんじゃ、恥ずかしくて日向のことうちに連れて来れないよ……。




おでこに手をあてながら、あたしはダイニングテーブルのイスに座る。




すると、ちょうどそこに準備のできたママが、お茶を持ってきた。




「さぁ、ゆっくり午後のティータイムでもしましょうか」






得意の笑みでニッコリと微笑んで、あたしの向かい側に座る。





< 334 / 384 >

この作品をシェア

pagetop