ワケアリ夫婦っ!!
ママの淹れてくれた紅茶を一口飲んで、心を落ち着かせる。
「どう? ラブラブの新婚生活は」
「ラッ、ラブラブって……///」
いきなりママの口からでた、突拍子もない言葉にあたしは思わず赤面した。
「やだぁ〜、初々しいわねぇ」
「変なこと聞かないでよっ! ……べ、別に、普通だし」
「普通って何よ〜、日向くんカッコいいし素敵だし。奈央のことだから、どうせベッタリなんでしょ〜」
ママにそう言われて、いつかの真希の言葉を思い出す。
『本当日向って、奈央にぞっこんって感じだよね〜』
……どっちかと言うと、ベッタリされてるのはあたしの方な気が………。
でも、絶対ママにからかわれると思ったので、それは言わないでおいた。
「ふふ、良かったわ。幸せそうで」
「へ………?」
安心したように、優しく笑うママ。
「奈央、気づいてないみたいだけど。日向くんのこと考えてるとき、顔にやけてるわよ」
「ッ………!?」
自分では全然分からなかったことを言われて、慌てて口元を隠す。
は……恥ずかしい………///
「さて、夕方にはパパも帰ってくるし。そろそろ夕飯の準備しないと!」
いつの間にか飲み干しているカップを片付けて、立ち上がるママ。
「え……まだ三時だよ?」
夕飯の準備には、早すぎる気が………。
そう思いながらも、立っているママを見上げる。
「だって今日はごちそうだもの。奈央も手伝ってね?」
昔はよく、ママと一緒にキッチンに立って手伝いしてたっけ……。
自然と口元が緩みながらも、あたしは残りの紅茶を飲み込んで立ち上がった。
「しょうがないなぁ」
なんか、久しぶりにこうやってママと話するのも、楽しいなぁ。