ワケアリ夫婦っ!!
「………ふふっ、あはは!」
「……………へ?」
真剣な話だというのに、いきなり爆笑しだすママに、あたしは拍子抜けした。
「あはははっ! やだぁ、奈央ったら!」
「さすが、お前の子だな。早とちりもいいとこだ」
さらには、ハァとため息をついて渋い顔をしているパパ。
あ、あたし……変なこと言った?
しばらく爆笑するママと呆れているパパに、あたしは瞬きすることも忘れて固まっていた。
「け、携帯の話だったの……!?」
「ふふっ、そうよ〜。誰もあんたちの結婚解消なんて話してないわ」
「…………」
ようやく笑いが止まったママに事情を聞いて、あたしは言葉を失った。
「くだらない。俺は寝る」
「あ、ちょっとあなた……」
誤解がとけると、呆れていたパパは逃げるようにしてリビングから出ていってしまった。
相変わらずな無愛想ぶりで、もしかしたら怒ってしまったのかとも思ってしまう。
「………あれで結構、奈央のこと心配してんのよ」
「………え?」
そんなあたしの思いを見抜いたかのように、ママはそう言った。