ワケアリ夫婦っ!!
「瑠依くんは優しいんだね。本当に、ありがとう」
笑顔を浮かべて、深くおじぎをする。
「優しい、ね」
「…………?」
その呟きに、あたしはなんだろうと思いながら頭を上げた。
「俺が誰にでも優しい奴だと思ってる?」
「え……うん」
質問の意味がいまいち分からないけど、とりあえず首を縦に動かす。
「俺、確かに女の子には優しくするようにしてるけど。結構、奈央ちゃんにはえこひいきしてるんだけどなぁ」
「へ? ……どういう?」
あたしに、えこひいきって?
相変わらずよめない瑠依くんの言動。
「もしかしたら俺は、あの時奈央ちゃんの肩を押すことで、自分の気持ちに踏ん切りつけたかったのかもしれない」
「それって………」
「良かったよ。奈央ちゃんのこと、本当に好きになっちゃう前で!」
「ッ………!?」
いきなり出てきた、予想もしない言葉に目を丸くする。