ワケアリ夫婦っ!!
ワケアリ夫婦
「………っん」
なんとなく目が覚めて、隣を見る。
いつもは、冷たくって空っぽの隣に……今は日向がいて安心した。
ちょっとだけ怖かったんだ。
目が覚めたときに、隣に日向がいなかったらどうしようって。
帰ってきたのが夢だったんじゃないかって。
でも、現実にはこうやって日向がちゃんといた。
あんなにイジワルなくせに、生意気なくせに、その寝顔がどうしようもなく可愛くって……またあたしをドキドキさせる。
ふと、枕元に置いていた携帯が光っているのに気づいて、携帯を開く。
受信メール一件と表示するまぶしい画面を、目を細めながら見る。
『RE:ダメだった』
件名を見て、真希からだということが分かった。
メールを開くと、真希はちゃんと南さんに告白したらしい。
だけど、真希がまだ高校生だから。
という理由と。
今の南さんには、誰かと付き合う余裕はないという理由で、断られてしまったらしい。
その内容を見て、少しだけ心が傷む。
だけど、メールの最後に書いてあった。
『だけど、あたしあきらめないから! 応援してよね』
その真希の言葉に、あたしは安心した。
応援……するに決まってるじゃん。
いつか、真希の願いが叶いますように。
そう思って、あたしは携帯を閉じた。
しばらくしてもなかなか寝付けず、あたしはベッドから降りた。
裸だっとことに気づいて、とりあえずそこに畳んであった日向のTシャツを着る。
ぶかぶかで、ひざの上辺りまで身体が隠れるくらいだった。