ワケアリ夫婦っ!!





そんな春のある日。




午前中はいつもの飲食店でバイトして、午後は雑誌の撮影を終えた夜。



家に食べるものがなかったので、なんとなく歩いてコンビニに出た俺。




時間は夜の九時近くで、普段から人通りの少ない道は、さらに静かだった。




ちょうど通り過ぎた公園には、綺麗な夜桜が外灯に照らされていた。



そんな中……不意に聞こえた誰かの声………。







「だ……誰か助けて………っ」






最初は空耳かとも思ったが、確かにその声は公園の中から聞こえる。




それはか細い女の声だった。



このシチュエーションは……何かのホラー映画で見たことあるような……。



とも思いながらも、俺はその声を放っておくことはできず。




恐る恐る公園の中へと足を踏み入れた。








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