ワケアリ夫婦っ!!
「………へ?」
なぜか聞こえたのは、大好きな日向の声。
だんだん近づいてくる影を目を凝らして見ると、頭にバスタオルを羽織った日向だった。
「ひ、日向かぁ……。びっくりしたぁ」
「起こしちゃった? ごめんごめん。寝る前にシャワー浴びたくてさ」
日向は、あたしのほっぺにまだ少し濡れている手をあてて、優しい目で微笑む。
薄暗い暗闇の中で、寝ぼけたあたしは日向に抱きついた。
「……いなくなっちゃったのかと思った」
「どした? 奈央大胆(笑)」
「日向のこと大好きなんだもん」
「知ってる。俺はどこも行かないよ、ずっと奈央のそばにいっから」
そう囁いた日向は、ギュウッとあたしを抱きしめ返す。