ワケアリ夫婦っ!!





ガチャ。




静かに玄関の開く音がして、カチッという音と共にリビングに電気がついた。




「わっ、奈央。電気もつけないでどした?」




「……ううん」




こんな時間まで起きてるあたしに少し驚いてる日向は、あたしのそばに来て顔をのぞき込んだ。




「おかえり、日向……」




そんな日向の顔を見てたら、やっぱり浮気してるなんて信じたくなくて。




そばにいたくて。




ちゃんと話さなきゃいけないのに、抱きついてしまった。




日向はそんなあたしの頭を撫でながら。




「先に寝てていいっつったろ? 明日学校なんだから。寝不足は体に悪いよ?」





なんて優しい言葉をかけてくれる。



そんな日向にまたキュンとしちゃうんだけどね。






でも日向…………。







あたしには、してるんだ












あなたの髪から微かに香る
違う香りが………










< 66 / 384 >

この作品をシェア

pagetop