ワケアリ夫婦っ!!
ガチャ。
静かに玄関の開く音がして、カチッという音と共にリビングに電気がついた。
「わっ、奈央。電気もつけないでどした?」
「……ううん」
こんな時間まで起きてるあたしに少し驚いてる日向は、あたしのそばに来て顔をのぞき込んだ。
「おかえり、日向……」
そんな日向の顔を見てたら、やっぱり浮気してるなんて信じたくなくて。
そばにいたくて。
ちゃんと話さなきゃいけないのに、抱きついてしまった。
日向はそんなあたしの頭を撫でながら。
「先に寝てていいっつったろ? 明日学校なんだから。寝不足は体に悪いよ?」
なんて優しい言葉をかけてくれる。
そんな日向にまたキュンとしちゃうんだけどね。
でも日向…………。
あたしには、してるんだ
あなたの髪から微かに香る
違う香りが………