ワケアリ夫婦っ!!
そんな俺の考えとは裏腹に、午後七時。
「お疲れ様でした!」
といつもどおり、礼儀正しく頭を下げて帰って行った夏紀は、特になにもしてこなかった。
そんな態度にも少し疑問を抱えながら、俺は帰る準備をする。
携帯を開いた時に、受信メール一件。
………奈央か?
という俺の期待はあっさり裏切られ、表示されていた名前は『和也』。
なんだ、と少し肩を落としながらもメールを開く。
『今日仕事終わってから俺んちに来い。話がある』
文章はそれだけ。
………話。
一瞬、夏紀のことかとも思ったが、まだ和也には一言も話していない。
だったらなんの話だ?
俺は、すっかり疲れきっている身体を引きずりながら、中津の車に乗り込んだ。
昔から兄弟のように仲がよかったから、もちろん和也の家は何回か行ったことがある。