ワケアリ夫婦っ!!
「相変わらず散らかってんなぁ………」
リビングには、いたる所に脱ぎっぱなしの服や、読みかけの雑誌。
「うっせ、忙しんだよ。お前みたいに片付けてくれる女もいねぇしな」
確かに………。
俺も奈央がいなかったら、こんな状態になるだろう。
ソファーの上にある荷物を適当に下に落として座る。
「バカ、あんまそこいじんなよ。次のコンサートの予定表とかあるんだかんな」
いや、そんな大事なもんこんなとこに置いとくなよ………。
「で、話って?」
とにかく、とっとと済まして早く家にかえんねぇと。
夏紀のこともあって、最近まともに奈央といる時間もない。
窓際に腰掛けた和也は、ゆっくり口を開いた。