アイツの心はあたしの物♡
 そして、すべてを話し終ったあとには愚痴などをしゃべって帰った。

 
 家の玄関を開けて家の中に入っていく。


「ただいま~」


「亜優!おかえりなさい!!」


 あ。今日はお母さんいたんだ。


 あたしの家族はお父さんもお母さんも仕事でほぼ毎日家にいなくて、お姉ちゃんもいるけど、今大学4年生で、遠い大学に行っているから一人暮らしでいない。


 だからあたしは、毎朝お母さんの置き手紙を見ると、昔のことを思い出してしまう・・・。





 
『今日からここが俺たちの家だ!』


『『わーーい!新しいおウチだぁ!』』


『うふふふ。』


 昔はお母さんは仕事してなかった。だから毎日家にいて、外から帰ってきたあたしを迎えてくれてた。毎日ね。


 お父さんは仕事をしてたけど、そんなに忙しくなかったから、土日は遊んでくれてたりした。


 そんな家庭を壊したのは、小学3年生の時だ・・・。


 お父さんがリストラされて、新しい家からも出て行かなくちゃいけなくなって、おばあちゃんの家に引っ越した。


 その時から、お母さんも仕事を始めた・・・。


「今日は、亜優の好きなビーフーシチューよ。」


「・・・あっ。わーい!」


 あたしはまた昔のことを思い出していた。


 あたしは急いで、自分の部屋に入り、着替えた。


「ねぇお父さんは?」


 あたしは気になった事を聞いた。


 最近お父さんが帰ってこないのだ。


「あら!?私亜優に言ってなかったけ?」


「へっ?なにを?」


「お父さん。今アメリカに出張してるのよ。」


「えぇぇぇぇぇぇぇ!!あたしそんなこと一言も聞いてない!!」


 今は驚きでいっぱいだけど、きっとあとでお母さんのドジさをあきれ始めるだろう・・・。


「お母さん!なんでそんな大事なこと言ってくれなかったのよ!」


 あたしはお母さんに怒鳴りながら受話器を取ってきた。









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