幕末怪異聞録



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「ふむ…。
では、貴様は最年少で細っこいくせに幹部なのじゃな。」




「いや、細っこいはよけいだし。
てかあんたも細っこいだろ?」



朝餉を平らげた灰鐘は沖田と共に、道場に来ていた。



先程いた部屋は八木邸にあり、嫌な気配がした前川邸へ行きたいと駄目元で灰鐘が言うと



「え?前川邸?
いいよ。どうせ暇だし。」



何ともあっさりと通してもらったのだ。



(こうも警備が“ざる”じゃと悪者が来たとき大変そうじゃな…)



などと思っていたところに先程の奴に出くわしたのだ。




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