幕末怪異聞録
「んなっ!?」
「え?僕より年上なの?」
それぞれが驚くのも無理はない。
灰鐘は小柄で声も中音程度、端正とはいえ顔つきも十代後半にしか見えない。
「おっ!何だ何だ~?
客でも来てんのかい?」
そこにがたいのいい男二人がやってきた。
「あ!左之さんに新ぱっつぁん!
この人、退治屋の灰鐘陽輝ってんだよ!」
藤堂の紹介に灰鐘はぺこりと頭を下げた。
「俺は二番組組長、永倉新八だ!」
「十番組組長、原田左之助だ。よろしくな。」
(賑やかなやつらじゃのぅ…。)
などと思いながら灰鐘は空を見上げた。
「―――!!」
灰鐘は何かに気付いたように辺りを見回し、八木邸の方へかけていった。