幕末怪異聞録
近くの甘味屋に行くと知った顔がそこにあった。
「総司と左之じゃないか。」
「あ、時雨!」
「久しぶりだな。」
今日は非番なのか隊服は着用せず、団子にがっつく沖田と原田がいた。
「まあ座れよ!」
横にズレてポンポンと自分のいた席を叩く原田の横に時雨は座り、沖田の隣に狼牙が座った。
「すみませーん!
お汁粉二つとみたらし四つください!」
「はーい!」
注文した時雨は嬉しそうにニコニコしていた。
そんな時雨を見るのが初めてな沖田と原田は目を丸くした。
「時雨、おめぇ甘味好きなのか?」
「うん♪」
うふふと笑う時雨は原田と同い年だとはとてもじゃないが見えず、純粋な少女のようだった。
そんなだから原田はつい時雨の頭を撫でた。
「そうかそうか!たくさん食えよ!俺が奢ってやるよ♪」
「ほんとに!?流石左之!ありがとう!!」
そう言ってニコッと笑う時雨に思わずドキッとした原田であった。