幕末怪異聞録


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こうして時雨は坂本のお世話になることにしたのだが、何もせずにただ住まわせてもらうのは申し訳ないと言い、女中の仕事を少しばかりしていた。


だからと言って退治屋の仕事を疎かにするわけでもなく、ちゃんとこなしていた。


「時雨ちゃん!大根買うてきてくれへん?」


「はい、かまいませんよ。」


「ごめんな?それじゃあ頼んだね。」


「はーい。」


時雨は寺田屋の女将であるお登勢からお金をもらい寺田屋を出た。


このようにお遣いに行くこともしばしばある。


だが、時雨本人は「散歩ができる。」と喜んで行っていたりする。


そんな時雨をお登勢は可愛らしいなと思っていた。





そんな時雨は何時も行く八百屋に行き大根を買っていた。



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