幕末怪異聞録


「よう。餓鬼はもうねんねの時間かな?」


「僕は餓鬼じゃないし、まだ戦える!」


嫌みを言われた沖田は時雨をキッと睨むも身体に力が入らずヨロヨロと立ち上がろうとした。


「―――大人しく寝てろ。」


ドカッ……!!


「―――っ!」


戦おうと立ち上がる沖田の腹を蹴って隅に追いやった。


「さて、あんたの相手してやるよ。」


ニヤリと笑う時雨に首を傾げる男。


『お前は新選組の仲間じゃないのか?』


「仲間ではない。知り合い程度だ。
そんな事よりお前、その刀どうした?」


『刀?あぁ…。お前が呪われた半妖だな?』


「……。」


『お前じゃこの刀を折ることなんて無理だな。』


実は西沢から受けた呪いを解くには二つあることをやらなければならないのだ。






一つ目が西沢を殺すこと。





二つ目がある刀を折ること。





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