幕末怪異聞録
事件後の一時
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「いってー!!」
池田屋事件から三日が過ぎ、場所は新選組屯所。
時雨はまた新選組の屯所にお邪魔していたのだった。
「もっと丁寧にやれよ薮医者が!!」
「誰が薮医者や!もう、それだけ元気なら心配いらへんな。」
「ふんっ!」
「治り早いなぁ。もう傷口塞がったんかいな。」
早いとは言え妖刀でつけられた傷はやはりすぐに癒えず、やっと傷口が塞がったのである。
「治りが早いのが自慢だからね。」
「ありがとう。」と続けて言うと、時雨は部屋から出て行った。
(完全に傷口が塞がるのに最低半月はかかると思ったが、まさか三日で塞がるとはな……。
やはり呪いが半分解けたお陰か……。)
そう思いながらかき上げる髪は、黒色をしていた。