幕末怪異聞録
さて、話を戻して……
「なんで池田屋にいた?」
あの場にいた誰もが思っていたことであろう。
土方はそれだけではなく、時雨が実はどこかの藩の間者なのではないかと勘ぐっていたのだった。
そんな考えに気付いた時雨は盛大なため息を吐いたのだった。
「それは―――……」
それから何故池田屋にいたのか全て話した。
数日前から嫌な予感がしていたこと、呪いを解く鍵、――――……
「なるほど、てぇと……」
腕を組んで最後まで静かに聞いていた土方は、時雨を思いっきり睨んだ。
「総司が血ぃ吐いたのはおめぇのせいじゃねーか!!」
「いや、それはちょっと力が入りすぎてな?別に悪気があったわけではないからな!?」
「ったりめぇだ!!悪気あったら大問題だ!!」
「ぐぅ……。」
うっかり沖田の話もしたら土方に怒鳴られたのだった。