幕末怪異聞録
「時雨さーん!おるがかえー!?」
突然響いた土佐訛りの声。
久しく聞いていなかったため時雨は目を輝かせた。
「龍馬か!?龍馬だな!!」
バタバタと表に向かい走るとやはり思っていた顔だった。
「久しぶりじゃの~!時雨さん!元気やったか?」
「久しぶり龍馬!
元気だよ!龍馬は相変わらず元気そうだね!
それより何故江戸にいるんだ?」
「ん?それはな、日の本が一つの国となって差別のない国にするがためじゃ。」
「差別のない国……?」
「そうじゃ。武士じゃ百姓じゃと人の価値がバラバラじゃが、人間みな平等!そんな国にしたいがじゃ。」
「――それって、私も入るのか?」
「もちろん入るきに、楽しみにしとうせ!」
「うん!」
時雨は江戸に帰って久しぶりに笑った気がした。