幕末怪異聞録



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ある人物の聞き込みをするが全く情報はなかった。




すでに日は高く登ってしまっていた。



「なかなか見つからないなぁ…」



「はぁ…。
本当に京にいるのかよ…。」



橋の欄干にもたれ、朝置いてあったにぎりの残りを食べていた。



「もしかしたら、江戸で聞いたおじさんの見間違いって可能性もあるからね…。」



―――もう、三年も経つのにな……



隻眼に悲しみの色を落とし、空を見上げた。




ガシッ!!



「――!!」



「灰鐘さん、こんにちは♪」



驚いて振り返ると、浅葱色が目に入った。



「沖田さん?」



灰鐘がそう言うと、彼はゆっくりと笑った。



「はい♪沖田総司です。

君に話があるんだけど、時間いい?」



笑顔のままだったが、声色が真剣身を帯びていたため灰鐘は素直に頷いた。




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