幕末怪異聞録
―――――――――――………
チュンチュン……
「何で儂、こんなとこにおるんじゃ?」
この者、灰鐘はあの夜、新選組に捕まり(別に悪いことはしていない)屯所に来ていた。
「お前には聞きたいことがあるからに決まってるからだろ。」
振り返るとあの夜灰鐘と話した男がいた。
「だからっていきなり頭殴ることないじゃろ!」
「話が長くなりそうだったし、寒いし、殴って屯所連れてっちゃえ♪と思ってね!」
「…。
てかそれを何て言うか知ってっるか?
理不尽って言うんじゃよ。」
その横に座る灰鐘を殴った男を睨んだ。
「あっ!
お主らの名は何と申す?」
胡座を組んだ灰鐘は思い出したように口を開いた。