幕末怪異聞録
「はぁ!?」
「えっ…!」
一様に嫌そうな顔をする土方と灰鐘。
そんな様を見た沖田は面白そうに笑った。
「そんなに息が合っていたら夫婦みたいですね。
寧ろ一緒の部屋で寝たらどうです?」
「総司テメェ…。」
青筋立てて今にも飛びかかりそうな土方を止めたのは、灰鐘だった。
「わーわー騒いでんじゃねぇよ。
そんな冷やかしで怒るなんて餓鬼かテメェは。」
毒舌満載で(笑)
怒りの矛先が灰鐘に向いた所で特に気にするでもなく、話を続けた。
「土方の隣など全く不本意だが……。
できればお梅の部屋の近くがいい。
まぁ、近すぎても困るが…。
となると、やはりこの隣の部屋が一番なんだが…。」
そう言ってチロリと土方に目をやると、案の定盛大にため息をつき、眉間に皺を寄せていた。
そして……
「好きにしろ。」
許可が下りるのだった。