幕末怪異聞録
「てめぇ…!近藤さんになんつー口の聞き方を!」
「止めんかトシ!」
食いかかるように睨む土方を一喝して抑えてしまった近藤。
その様子を見た灰鐘は、近藤と言う男がどれだけ新選組で力があるのか知らしめされた。
「灰鐘殿。悪いが、そのあやかしを退治してくれないか?」
近藤の申し出にニヤリと笑う灰鐘。
「喜んで退治しよう。」
「そうか!それは助かる――」
「だがただではないぞ?」
その言葉に些か面食らった近藤だが、すぐに笑みを浮かべた。
「そんなこと百も承知さ。いくらだ?」
そう言う近藤に灰鐘は指を一つ立てた。
「百両じゃ。」
「高けぇよ!」
「じゃあこの話はなかったことにするか?」
「……はぁ…。
しゃあねぇ…。」
こうして新選組でのあやかし倒しが決まったのであった。