ベンニ
第3章

第1節

ベンニはいらいらした足取りで家を出ると、ウ゛ォルフィとよく一緒に行っていた林に向かった。



あともうすこしで学校が始まると思うと荷が重かった。




いつもの場所につくと、木箱から持ち出した祖父ベルントからもらったナイフをポケットから取り出した。




ウ゛ォルフィがいないと、エネルギーが湧いてこなかった。




ベンニは林の中に充満するエネルギーをもらおうとでもするかのように、左手にナイフを握ったまま、大きく両手をひろげ、深呼吸を始めた。
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