ベンニ
ベンニは、体にひろがってくる奇妙な感覚をふり払おうとでもするように木からはなれた。



以前はダークブロンドで今は黒色の髪が風に吹かれて揺れていた。



落ち着きを取り戻したのか、ベンニはナイフをその木の幹に刺し始めた。


何度も、何度も。




ベンニの薄茶色の目が、ゴールドに輝いていた。
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