ベンニ
クリスはレネを落ち着かせるように、優しい視線を向けながら、レネの髪をなでた。



「今度俺から話してみようか。」



ありがたいけど、ベンニが憎んでいるのはあなたなのよ。


レネはベンニが今のようになってしまったのは、自分と付き合っている男のせいだと思っていた。



「いいの。私から話す。こんなことは二度としないようにって。」



「他のことも言った方がいい。」



「ええ。」



いつからベンニの歯車が狂い始めたのかレネは考えを巡らせていた。
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