後ろ姿
私と先生がステージに出るのは、一番最後の大トリだ。
どんどんみんなが出ていく中で、私は緊張をし始めていた。

「・・・」
「どうした?」
「う、ううん!何にもないよ」
「もうすぐだな!」
「うん・・・」

ギュッ

「えっ?先生、手なんか握ってどうしたの?」
「お前、緊張してるだろう?」
「何でもお見通しだな・・・先生には」
「大丈夫だ!俺がついてる」
「うん!」

私って単純。
先生の言葉で一気に緊張が吹き飛んじゃった。
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