後ろ姿
「あの・・・何か用ですか?」
「私、有紗って言うんだけど知ってるかしら?」
「先生の元カノ!」
「そうよ。よく知ってるわね」
「えぇまぁ・・・」
「恵介は大丈夫だった?」
「えっ?」
「あなたとラブラブしてる写真、掲示板に貼ってあったでしょ?」
「あれ・・・あなたが?」
「いいえ!でも協力はしたかしらね」
「協力?」
「そう!あなたの通う桜見学園であなたに好意を寄せている人にね」
「まさかその人が・・・」
「えぇ!」
「誰なんですか?その人」
「言うわけないじゃない」
「教えてください。お願いします」
「だったら恵介と別れてくれない?」
「そんな!」
「私と恵介はずっと一緒にいたのよ。なのにいつのまにか恵介は変わった。
私との時間よりも、教師としての時間を大事にするようになった」
「・・・」
「私は今でも恵介が好きなの!別れなさいよ」
「今は別れてます。先生と」
「何ですって?」
「先生が言ったんです。」
「そう・・・」
「だから教えてください。誰がこの写真を貼ったんですか?」
「それはね・・・」
「そんなっ!」

私は有紗さんと別れ、ひとり家へと帰る道を歩いていた。
何で?
あのひとが・・・。
< 260 / 289 >

この作品をシェア

pagetop