後ろ姿
先生は私以外の生徒からも好かれていた。

好きだと自覚してからは差をつけるためにもテストを頑張った。
苦手な数学でも一生懸命に勉強した。
分からないところはテスト前に、職員室に行って先生に聞いたりした。

「先生、数学分からないところがあるので教えて欲しいんですけど・・・」
「おっ!
今回は頑張ってるみたいだな」
「まぁね!」

授業のときと違い、いつもより近い距離にとてもドキドキした。

「先生、今日も数学教えてもらっていいですか?」
「今日はあまり時間がなくてな・・・。
15分くらいだけになるけどいいか?」
「はい!
それでも十分です。
また明日聞きにくるんで」
「そうか!
柳瀬の今回のテストが楽しみだな!」
「期待しててよ!」
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