【完】愛しい君は
菜月は一瞬不安そうな顔をしたけど、
「わかった。じゃああたし帰るね。」
って笑って言ってくれた。
「うん、また連絡するね!」
「絶対ね!」
そう言って菜月は帰っていった。
「はあ‥緊張する。」
まずは携帯とにらめっこ。
メール作成画面にしてメールをつくる。
慣れているはずの携帯が
まるで他人の携帯のように
扱いづらかった。
震える指で打った文。
――『今日、会える?』
これが、精一杯だった。
送信画面をみて少しホッとする。
ベッドの上に携帯を置いて
制服から部屋着に着替える。
「こない‥。」
時間が経つのが異様に遅く感じた。
ベッドに座ったその時、
ブブブ...と携帯のバイブが鳴った。
「き、きたぁ~‥」
優太の名前が表示される。
それだけであたしの胸は高鳴った。