不思議な人
青年は校内を走り回った。
回り終えると、今度はある場所へ走った。
「主事さん!」
廊下を歩く人物を呼んだ。
「なんだね?」
「今日、トイレットペーパーの補充しました?」
「いや…あぁ、君がやったのか。ありがとうな」
突然、主事さんは青年に礼を言った。
「えっ?」
「ペーパーの補充してくれたんだろ?」
「えと…」
「いやぁ、助かったよ。後2袋しか残ってなかったもんでね」
「増えてたんですか?ペーパー」
「あぁ。…ちょっ!何処に行くんだ?」
青年は駆け出した。
「主事さんがやったんだ」
息を荒くしながら、着いた所。
それは…
「3つ目…」
3階のひとつのトイレ。
「誰かいますか?」
青年は3つ目をトントン叩いた。
「ちょっと待ってくれ」
昨日と同じ声。
「主事さん…」
青年は静かに声をかけた。
「…ありがとう」
ドアに寄りかかった。