不思議な人
次の日。
「変な人だな」
「だろう?」
「なんか、不気味だ」
「そうかぁ?」
青年は昨日あったことを、友人に話した。
「てか、途中までホラーっぽいのに、オチが主事さんって…笑えるな!」
「食いつくとこそこかよ!」
青年と友人のふたりで盛り上がっていると、もう一人の友人が難しい顔をして言った。
「なぁ、うちの学校ってよ」
「あ?」
「お?」
「…男の主事さんいたか?」
ふたりから、サッと血の気が引いた。
「じょ、冗談きついよ」
「ホント、ホント!や、やめろよな。からかうのとか」
ふたりは苦笑した。
が、ひとりは至って冷静に、
「いや。うちの学校は女の主事さんしかいねぇよ。俺らが入学した時と同じだ。変更はない」
その時、ガラガラとドアが開いた。
「ほら!席に着く!ハリアップ、ハリアップ!」
女教師が教室に入ってきた。
「先生ー!質問いっす…」
「後で!待ってなさい」
青年のあげた手を女教師は睨みつけた。
「いぎっ…」
青年は「睨まれてやんのー!」と、後ろの生徒にど突かれたが、気にしない。
ただ、主事だと名乗った人の詳細が気になって、気になって、仕方がなかった。