不思議な人
「で、質問って?」
青年は職員室に連れていかれた。
職員室には、青年と女教師以外は誰もいない。
青年は下を見て言った。
「あの…」
「ん?」
女教師は机の上の紙をいじくりながら、返事をした。
「あの、先生は…」
「なぁに?」
青年は顔をあげ、女教師を見た。
女教師もそれに気づいたのか、青年を見た。
「先生は、知ってますか?」
「何を?」
「白髪混じりの黒髪に、とっても優しそうな男の人です」
女教師はしばらく考え、ハッと閃いたように、手を一回叩いた。
「知ってるんですか…!」
「えぇ。まぁね」
「誰ですか?」
女教師はニコニコして、答えた。
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「ここの主事さんだった人よ」
青年の表情が曇っていった。