日常がキケン!
なんだろう、この懐かし「先生、転校生はどこですか!!」

と、でかい声がして俺は腕から離れた。


目の前の男の人を見ると、どう考えても生徒じゃない。
白衣を着ていて、背なんて俺より20センチ以上も高そうだ。
顔だって高校生だとは思えない知的な顔立ちで、とても大人の顔をしていた。


「ほら、挨拶して」
男の人‥‥先生が俺の背中を押し、黒板の前へと立った。




また、深呼吸。
いきなりミスったら、どうしようもないからね。

「えーっと、篠原 潤です」

教室がシーンと静まる。
こういうシーンは緊張する。ダジャレではない。


よし、あとはどこからきたのかや部活とかを言えばいいはず。


「長崎から来ました。部活とかは‥‥入らないつもりです。たびゅん。‥‥‥‥‥‥!?」

言ってから、多分をたびゅんと言ってしまったことに気付いた。
「い‥今のは噛‥」


しかし、俺の声は、
「はははははははははははは!!」「ひー!」「たびゅんだってよ!びゅん!」「今時そんな噛みかたすっか!?」「ありえねー!ははははは」

と、でかい声に飲み込まれていった。






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