日常がキケン!
どうやら真っ向勝負ということになりそうだ。
俺は一度床に視線を落としてから、高杉を真剣に見据えた。
合奏が聞こえてくる。
これは応援歌だろうか。
「どうして、春の大会で妨害なんてしたんだよ」
高杉の眉がピクリと反応した。
「‥‥‥誰から聞いた」
「応援団長の槙村先輩」
「ああ」
思い出した、と言うかのように目を見開く。
俺は間髪入れずに高杉に問い掛けた。
「妨害したのは本当なのか?」
応援歌はクライマックスに近づいたのか音量をあげた。
これほどの音量だったら、人の声なんて掻き消すのは、本当に簡単だろうな。