日常がキケン!


「ム カ つ くーーー!!!!!」


そう叫びながらグラウンドへやってきた俺は、ギョッとした顔の大地に発見された。

大地は調度休憩に入ったところで、俺を見てすぐ飛び付いてきやがった。


「‥‥大地。解るかもしんねーけど、俺、今すんごく機嫌悪いから」

「あーホンマやなぁ。なんかあったんか?相談のるで?」

「‥‥‥あ、いや、相談とかではないんだけどさ」


正直、大地の優しさに驚きうろたえる。

しかし、この際だしその優しさを利用させてもらった。




彼に野球部の部室の案内を頼むと、快く引き受けてくれた。

休憩時間は終わらないの?と聞いたら、今日は先輩達が張り切ってるから、いくらレギュラーだろうとも一年の大地の出番はないらしい。


なら、おまえの相方はどうしたんだ
‥‥とは、聞かなかった。
聞きたくないしね。




部室は微妙に埃っぽかったが、事務室っぽいところに、試合に関する書類が並べてあった。

「で?いつのデータを探してんの?」

「今年の4月15日」

「あぁ。なら、ここらへんやな」


そういうと大地は書類があった棚を開け、一冊のノートを取り出してめくりはじめた。


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