日常がキケン!
「おっ!あったあった」
「マジで!?」
本を広げる大地の手元を覗き込む。
そこには、4月15日のスコアが書かれていた。
8ゲーム目を見ろと、高杉は言っていた。
さっそく8ゲーム目を見る。
俺はイマイチ野球に詳しくはないが、時々試合中継はみる。
スコアボードの読み方位はわかるから、どこが8ゲーム目なのかはわかった。
「8回‥‥この高校が3点入れてで、相手の高校が1点、か」
そこを読み上げると、隣で見ていた(本じゃなく俺の顔を見ていた気も若干するが)大地が言った。
「その回凄かったでー!オレ、応援しに行ってたんやけど」
「マジで!?どんな風だった?」
大地は本に書かれた3と言う字を指差した。
相手の1点が、この高校の点数よりも上にあるから、この高校は後攻だ。ダジャレではない。
「あんな、7回裏まではオレら2点だけしか入ってないやろ?」
7回までの欄を見ると、確かに2点しか入っていない。
相手チームも、同様に2点だった。7回までは。
「うんそうだね」
「それまで引き分けで続いてて、結構長引いたんや。1回1回ごとがな。
で、スタミナも切れ始めるし、こっちとしては8回目で終わらしたいとこだったんや」