日常がキケン!
トランペット‥‥!
俺は一人興奮している大地に詰め寄った。
「大地!アウトがあった時の事覚えてる?」
「ん?ああ。そういや、まだ応援聞こえてこなかったなぁ」
「じゃあ、この1点入れた時の事は?2点目の事は?」
本を指差し尋ねる。
大地は首を傾げながら、俺の思ってた通りの事を言った。
「んー‥‥‥そんときも、観客の応援と、吹奏楽の音が聞こえたような‥?」
―――――やっぱりそうなんだ!!!
今まで誤解していた所が全て埋め変えられるように、俺の思考は丸っきり変わっていた。
会いに行こう。
会いに行かなくちゃ。
会いに行って、どうして説明しなかったのか聞かなくちゃ!
俺はいきなり立ち上がり、走り出していた。
「大地ありがとなっ!この本借りてくから!」
大地は戸惑いながらも、優しく手を振った。
「びゅんの為ならお安いごようやで!本、遅くなるならオレの部屋に持ってきてくれればええから!!」
「了解!!」
夕暮れに照らされる校舎を走る。
陽はだんだんと落ちてきていて、意外と時間が経っていた事に気付く。