日常がキケン!
見んな
見んな
見んな
多分、俺じゃないような顔をしてるから。
大地が俺の事を見ていても、俺は大地の事を見られない。
見たら、見つめてしまったら、俺はどんな風になってしまうんだろう。
どうして俺は、こんなに赤くなっているんだろう。
どうして俺は、大地の瞳や言葉にドキドキしなくちゃなんないんだろう。
「‥‥びゅん?どした?」
「見んな!見ないでくれ!」
とっさに顔を腕で覆い隠す。
ヤバイ。
大地の声、一つ一つに反応する。
これは、ヤバイ。
「びゅん?」
「見んなって!らしくない顔してんもん」
「‥‥‥見んなって言われる程、見たくなる」
「何がだ、見んな」
「‥‥‥お前は、どんな顔してたってお前だろ。そんなお前を、俺は見たい」
「あっ‥‥」
大地が、俺の腕を優しく掴んだ。
カナリの力を込めていたはずなのに、それはあっさりと解かれてしまった。
「‥‥顔、真っ赤」
「わかってるから、言うな!」
「なんで真っ赤?」
「ううう‥‥‥」
もうダメだ。
伝えずにはいられない。