花日記
*涙の訳
宿老会議に出て、昼餉を取ってからは俺の自由な時間だ。
例えば、鷹狩に行ったり、武芸の鍛練や学問をしたり。
最近ではそれに飽きてしまって、酒やら女やらに溺れかけている。
酷い時は、こっそり御所を抜け出して昼間に街で遊ぶこともあった。
すぐに正家と成兼が気付いて、二人に捕まってしまったが。
あの時は、二人から散々説教されて、親父にも怒られた。
お前は将軍という立場をわかっているのか、と。
正直、将軍という立場なんてどうでもいいが、あれ以来こっそり街に出るのは夜遅くだけにしている。
今日は何をしようかと思ってすぐに、綾子に会いに行こう、と決めた。
昨日の宴では夕凪といたし、何よりも綾子ともっと話してみたかった。