花日記
予想外のことで、次の言葉が思い浮かばなくなってしまった。
ただ、やはりそのからくりに興味が湧く。
「詳しく。」
綾子の未来の話は、きっとまだまだ知らない面白いものがあるのではないだろうか。
綾子は俺の意を汲み取ってくれ、炊飯器についていろいろと教えてくれる。
だが、どれも理解しがたいものがあって、だんだんと眠たくなってきた。
それでも、綾子は話しが上手く、わかりやすいように教えてくれるので、眠さを押し殺して食い入るように聞いていた。
話の時に、じっと綾子の顔を見ていたら、あることに気がついた。
そこに、手を伸ばす。
「えっ…?」
触れた途端、綾子の体が強張った。
「目が…」
「…目?」
「目の周りが、少し腫れているぞ。」
近くで見てはっきりとわかったが、綾子の目の周りがほんのりと赤く腫れている。