花日記
「それと…」
綾子は躊躇いながら言う。
「何だ?」
「わ、私、恋人なんていませんからっ!」
「…はあ?」
「だって、あなたさっき、恋人がどうとかって…」
「…ああ。」
「だから、言っておきますけど、私、未来に恋人なんていませんから!!」
綾子はもう一度、大きな声で叫んだ。
俺は、堪えきれなくなって、思わず笑い出す。
なんだか、とても可笑しくなって。
「そうか、わかった。」
俺は笑いながら言った。
綾子は、顔を真っ赤にしていた。