花日記
*垣間見る
久しぶりに、漢詩を読んだ。
なんだか無性に、漢詩が読みたくなったのだ。
杜甫、李白、白居易、王維…
とにかく、暫く敬遠いていた有名な漢詩を手当たり次第に。
有名な漢詩には、それなりに有名になる所以があるということを感じた。
俺は昔から、有名な物より人にあまり知られていないような物が好きだった。
だが、改めてみると、それらには人の心を動かす何かがあるのだと知った。
これは、綾子も知っているのだろうか?
今より何百年も前の詩が、こうして俺に読まれているように、綾子の時代でも読まれているのだろうか。
六百年先の未来でさえも。
漢詩の書が読みかけなのも気にせず、未来に思いを馳せていつの間にか夢を見ていた。