花日記
「日向!
俺は大丈夫だと言っているだろう!!」
「日向にはどこからどう見ても大丈夫には見えませぬ!
さあ、早くお褥へ!!」
「断る!!」
粥を食べ終えたとたん、正家に褥まで引っ張られた。
こいつは小柄の割りに、力が強く振り払えない。
別に、褥で寝転んでいるのは嫌いではないが、ここまで大げさにされると、その後が面倒でたまらない。
それを考えるだけて、体が悪くなりそうだ。
「日向!!
いいから離せ!!」
「嫌でございます!
しばらく、公方様は一切遊びに行かせませぬ!!
この日向が付きっ切りで看病致します!!」
それが嫌なんだよ!!
そう言う前に、日向に褥に転がされた。
軽い軟禁の始まりだ。
放り込まれた褥の上から、日向のなんとも言えない表情を見て、俺は大きくため息をつくしかなかった。