青騒-I SAY LOVE-
◇ ◇ ◇
「―――…ククッ、ぷははっ! ダッセェ、響子っ。勘違いした挙句、ケイに電話入れて怒鳴り散らすとか! マージ傑作っ、ククッ、ダッセェ!
ケイとココロの性格考えろってっ。やっべぇっ、腹痛ぇ!」
放課後。
私は響子さん達といつも皆と一緒にたむろっている場所、スーパー近くの倉庫裏にいた。
日賀野さん達との対立を契機に、正式な話し合い場を設ける場所としてたむろ場を近所のゲームセンターから此処(倉庫裏)に移したんだけれど、今は向こうチームと停戦を結んでいるから単にたむろってるだけ。
駄弁りの場所として此処に集まる事が多い。
以前のようにゲームセンターにも足を運ぶのだけれど、こっちの方が気兼ねなくできるからよく此処で集まる。
本当の意味で皆とワイワイできるのも一理あると思う。
今日はこっちに集まろうと話していたから、私は同校の響子さんやシズさんとたむろ場に赴いたんだけど…。
他校のヨウさん達が先に着いていた上に、あらかた事情を知っているヨウさんが私達の到着を知るや否や大声で大爆笑。
ヒィヒィお腹を抱えて笑い転げました。
ええ笑われましたとも。
でも、もっぱら笑いのネタにされているのは響子さん。
ヨウさん、響子さんの顔を見るだけで噴き出していた。
涙を目尻に滲ませながら大声で笑っている。
次いでワタルさんが、
「あの時のケイちゃーんの焦りようと言ったらぁ!」
ゲラゲラ笑ってヨウさんの笑いに便乗。揃って大爆笑、文字通り大爆笑していた。
その隣で、
「俺って超不運」
額に手を当てているのは被害者のケイさん。
も、も、申し訳ないです。
元を辿れば、私がハッキリ言わなかったものだから…。
響子さんは大爆笑している不良二人を睨んだ後、肩を落として溜息をついているケイさんに声を掛けた。
お二人に弁解するだけ無駄だって思ったのかもしれない。
「悪かったな」
真摯に謝る響子さんはケイさんに缶ジュースを手渡した。
これは響子さんなりのお詫び、彼女は彼女で怒鳴ったことに後ろめたさを感じているみたいだった。