青騒-I SAY LOVE-
「ちょ、健太のスケベ行為を気にしてるのか?
だったら俺がガッツーンと言っとくからっ…!
そ、そうだよな。
女の子にとって、そういう目を向けられるってヤだよな! くっそう、あの地味不良っ、次会ったら月に代わらなくても俺が仕置きしてやるッ」
「あ…その、確かに気にはしてるんですけど。その、あの…気にしてるのは…、あうー……。け、ケイさんっ、正直に答えて下さい。ケンさんはともかく、普通の男の子ってッ、その、あのっ…、」
あたふたと挙動不審になる私に、首を傾げるケイさん。
こういうのって彼氏さんに聞いて良いものなのか迷うところではあるけど、好きな人のことはちゃんと知っておきたい。
小さな小さな、ほんっとケイさんに聞こえないくらいの小さな声で私は尋ねる。
「実ってた方が好きですか?」って。
三拍くらい間をあけてケイさん、「実る?」目を点にしつつ私の顔を見つめてきた。
私は呻き声を上げながら、「その…」口ごもって視線を下に落とす。
コーラを飲んでいるケイさんもつられて視線を落としっ、ゲッホゲホゲホゲホ―――!
ケイさん、盛大に咽ちゃった。
身を小さくする私に対し、ケイさんはタンマと片手の平を私に見せて呼吸を整える。
で、大きく肩で息をしつつ、
「そ、それってさ…」
俺に聞くことか、ケイさんは決まり悪そうに頬を赤く染めた。
だってオトモダチの立ち位置にいる男の子には聞けないし、だったら、彼氏のケイさんに聞くしかないじゃないですか。
これでも勇気を振り絞って聞いたんですよ、私。
「ケンさんは…、その、小さい方がお好きと言ってたので…、ケイさんはどうなのかと」
「~~~ッ、健太っ、あいつ、マジで覚えてろっ」
こめかみに手を添えて苦虫を噛み潰す表情を作るケイさんは、私を一瞥した後、すぐに視線を逸らして頬杖を付いた。