青騒-I SAY LOVE-


同時刻、響子さんも教室にやって来た。
三人揃ったから皆でイタダキマス。和気藹々とランチタイムが始まる。
 
そうそう、シズさんは毎日此処で昼食を取っているわけじゃない。

私や響子さんと違ってクラスメートの人と一緒に食べる時もあるし、ひとりで学校を抜け出しラーメンを食べに行くことも多々。


響子さん曰くシズさんって基本的に自由人なんだって。


自分のしたいように、行きたい場所を転々と回る人だとか。
中学時代からそうだったんだって。

例えば、今みたいに女2:男1の割合になったとしても、彼は気にせず一緒にいる。

特に私達と一緒にいることが一番多い。
それはシズさんにとって私達の傍が一番安眠できる場所と認識しているから。
 

それだけシズさんに仲間意識を持たれているから、と自惚れていいのかな?

一応一緒につるんでいるグループだし。


他校に通っているヨウさん達が一緒なら、彼は喜んでヨウさん達の傍にいただろうなぁ。
 

コンビニで買って来たであろう冷やし中華をズルズル食べつつ、携帯を弄っているシズさんをジトーッと見つめる。

うーん、彼を見つめていてもなんとも思わないんだけど。

シズさんのことは優しくて思いやりがあって好き、は、好きだけど、それはお友達の好きというかなんというか。
  
 

「……、ココロ、とても…食べ難い。一口、欲しいか?」
 
「へっ? あああっ、ご、ご、ごめんなさいっ! も…物欲しそうな目で見てたわけじゃっ!」
 


や っ て し ま っ た 。
 

「ちょっと考え事を」


もごもごと相手に気持ちを伝えて、冷凍ハンバーグをパクリ。
うん、ハンバーグ、美味しい。

だけどシズさん、すっかり勘違いしたみたいで、「交換」私のお弁当の中に入っているアジフライを指差し、代わりに冷やし中華の入ったプラスチック器を差し出してくる。

うん、食べ物に関してタダではあげないところが大食らいのシズさんらしい。
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