青騒-I SAY LOVE-
(えーっとおかずのことで質問があります、みたいなメールでいいかな。一斉送信で…、あれ?)
アドレス帳に入っているグループの男の子達の名前をピックアップしてみる。
相牟田静馬、荒川庸一、嘉藤基樹、土倉肇、貫名渉…、シズさんはメールを省くとして、ひとり足りない。
ケイさんのメールアドレス、私のアドレス帳に入ってない。
あ…そうか、ケイさんは最近グループに溶け込んだから、私のアドレス帳に入ってないんだ。
他のアドレス達は私が初めて皆と対面した時、頑張ってアドレス登録をした記憶があるけど、ケイさんの時は一悶着、二悶着あったし。
アドレスを聞く暇がなくて現在に至るんだ。
あんまり男の子とメールしないから、今の今まで気付かなかった。
…どうしよう、聞くべきだよね。アドレス。
ケイさんは私のアドレスを知らなくたっていいかもしれないけど…、私としては平等にお友達のアドレスを入れておきたいし。
折角お友達になったんだし。
それに、うー…うー…。
「(でも聞いて、嫌な顔されたらどうしようっ。鬱陶しい女とか顔に出されたらッ…、た、立ち直れないぃいいい!)うううっ…ううっ…う゛ー!」
「……、ココロ…、何を唸ってるんだ? …悩み?」
「……、さあな。あいつのことだから、多分小さな悩みだとは思うんだが」
盛大な唸り声を上げて身悶えている私の様子を、訝しげに見ている不良達なんて視界にさえ入らなかった。