青騒-I SAY LOVE-
彼の背を見送ることしか出来なかった私は自分でも信じられないくらい落胆。
大きな溜息をついて、胸のモヤモヤと向き合った。
ケイさんはどっち派だったんだろう。
お肉派? 魚派? それとも野菜派?
……あ、携帯のメアドもっ、聞きそびれた。
おかずを聞くと並行してメアドも聞く予定だったのに。
決意表明だってしたのに…っ、駄目だ、私ってほんっと駄目ダメダメだ。
うじうじ心中で自分を罵っていると、
「コーコーロ」
弥生ちゃんに声を掛けられて、ドッキリ。
急いで振り返る。
「あ、えっと…な、何かな?」
そしたら弥生ちゃん、
「何かな? じゃないでしょー?」
含みある満面の笑顔を向けてきた。
次いで、「追い駆けなくていいの?」実はケイに用事があったんじゃないの、と羞恥心を煽られる質問を飛ばされてしまった。
咄嗟にチガウチガウと首を横に振ってみるけど、弥生ちゃんにニッコーと笑顔で肯定するよう脅されてしまい、私はオロオロのモジモジ。
「大した用事じゃ…」
手遊びをしつつ、視線を泳がせて答を返した。
「その…、私…お弁当調査を…していて…、おかずのことを聞こうと…」
「ケイにお弁当作るの?」
途端に私は動揺を表に出してしまう。
「ち、違いますっ、シ、シズさんにッ!
…け、け、ケイさんには、その、あの、どんなおかずが…好みかと…質問を。男の子…皆に…質問してるんで」