青騒-I SAY LOVE-


一件でヨウさんもケイさんも随分頭を悩ませていた。

ヨウさんはキヨタさんの意見、モトさんの気持ちを理解したい。


だけど舎弟はケイさんだし…、嗚呼、どうしようって頭を悩ませて。


ケイさんはケイさんで自分の器がどの程度のものか理解している。
でも約束を交わして舎弟になっているし…、嗚呼、どうしようって溜息をついていた。
  

私自身はケイさんを応援したかった。


だって彼は不慣れな役回りを一生懸命こなして、ヨウさんと一緒に肩を並べようと努力していたから。だから私は勇気を持って彼に告げた。

ケイさんを応援してます。
ケイさんだから応援してますって。
 

そしたらケイさん、「俺だからこそ?」首を傾げてきた。


ううっ、アプローチを掛けたりしてるつもりはないんだけど…、そういう意味に捉えられたらどうしよう。

私は言葉を続けた。

 
「だってケイさん、私と同じ…その、あまり目立たない方ですから。
でも比べれば私の方が目立たないと言いますか…。ケイさんには親近感を覚えて」


それに付け加えて、好きな人を応援したいから…、なんて言ったらケイさんはどんな顔をするだろう?

ケイさんは納得したように相槌を打った。


「そりゃ俺とココロは不良じゃないから。みーんなバッチシ、髪染めたり、制服着崩したりしてるけど、俺とココロだけは真面目だもんな」


「だけど…、ケイさん、ヨウさんの舎弟として頑張ってますよ。私も見習わないとなー…って。私、皆さんに何もデキませんけど…でも役には立ちたいんです。

できれば、ヨウさんみたいになりたいなーって。ヨウさんは…、とても素敵な方ですよね。
何も役に立たない…、地味女ですけど、せめて…、ヨウさんのチームに恥じない女になりたいです。ケイさんのように頑張りたいです」

< 137 / 322 >

この作品をシェア

pagetop